「見ればわかるでしょ。サンポ。珍しいじゃん、サトシがこんな時間に起きてるなんて」
サトシとルームシェアを始めてもう3年経つ。始めの頃はサンポも良く行ったし、一緒にいる時間も長かった。
でも最近は、サトシが不規則な生活もあり、一緒にいる時間も減ってしまった。
たまに、同じ部屋にいることもあるけど、お互いもう空気みたいな存在だ。
「あー、ねみぃ」
と言って、サトシは自分の部屋に入っていく。
私は少しダラダラと過ごし、ご飯を食べていた。サトシの部屋からいつものように音楽が聞こえてくる。
あれっ、いつもの感じの音楽と違う。始めて聞く曲だったけど、良い感じの曲で心地良くなる。
懐かしい。始めてサトシと出会った頃は、よくこういった音楽を聞かせてくれていた。
「サトシ、ご飯出来たよ」
「ありがと、ユカ」
部屋をでてきたサトシに、私は久しぶりに抱きついた。
「おっ、うれしそうにして。やっぱ分かるか、おまえこういう音楽好きだもんな」
改めて思った。サトシは私のことよく分かってくれてるな。
「ヨシヨシと、こんないっぱい尻尾振って。じゃもう一回俺とサンポ行くか」
「エルのサンポはさっき私が行ったでしょ。それより早くご飯たべてよ」
ユカのケチ。久しぶりにサトシと一緒にサンポに行っても良いかなって思ったのに。