2013年2月24日日曜日

雨遊び


ある坂道の中腹ぐらい、道の端の黄色い八角形は、周りの景色が薄暗いのも手伝い一際目立つ。


今日は雨。


道端に、お尻が地面に着かないように気をつけながら、少年が傘をさしてしゃがんでいる。

傘をさすというより、傘の中に入っているといった感じだ。

少年がしゃがんでいる場所は排水溝の近くで、黒っぽい砂が集まっている。

少年はその砂を使い、ダムのようなものを造り、水の流れを止める。

そのようなものでは、無限に流れてくる雨水の動きを止めるのは数秒で、すぐに何もなかったかのように雨水は流れていく。

すると少年は、また砂を集め、ダムのようなものを造る。

雨が傘に当たる、不規則な雨音。

車が、水しぶきをあげながら、横を通る音。

そういった音があるのに、静かに感じるこの時。

そして、終わりのない遊び。

少年は、その全てが好き。

雨が好きな少年。


0 件のコメント:

コメントを投稿