ある坂道の中腹ぐらい、道の端の黄色い八角形は、周りの景色が薄暗いのも手伝い一際目立つ。
今日は雨。
道端に、お尻が地面に着かないように気をつけながら、少年が傘をさしてしゃがんでいる。
傘をさすというより、傘の中に入っているといった感じだ。
少年がしゃがんでいる場所は排水溝の近くで、黒っぽい砂が集まっている。
少年はその砂を使い、ダムのようなものを造り、水の流れを止める。
そのようなものでは、無限に流れてくる雨水の動きを止めるのは数秒で、すぐに何もなかったかのように雨水は流れていく。
すると少年は、また砂を集め、ダムのようなものを造る。
雨が傘に当たる、不規則な雨音。
車が、水しぶきをあげながら、横を通る音。
そういった音があるのに、静かに感じるこの時。
そして、終わりのない遊び。
少年は、その全てが好き。
雨が好きな少年。
0 件のコメント:
コメントを投稿